ゆとりあるオフィスに移転した「鉄道友の会」
鉄道文化を未来へつなぐ
市ヶ谷駅を出て、靖国通りをまっすぐ歩いた先にあるABEビル。その9階に「鉄道友の会」が移転したのは今から4年前のこと。
今回は、多彩な活動を通じて鉄道の魅力を発信し続けている同会のオフィスにお邪魔し、その活動や鉄道の魅力、そして移転にまつわるさまざまなお話を理事・事務局長の鹿山晃氏に伺いました。(以下、敬称略)。
PROFILEプロフィール
鉄道友の会
理事・事務局長
鹿山 晃
東京生まれ、広島育ち。法政大学卒業後、自動車部品メーカーに入社。国内の複数拠点で勤務した後、アメリカに転勤。26年間にわたり海外事業に携わる。2017 年、「鉄道友の会」理事・事務局長に就任。
人生を豊かにしてくれる鉄道という趣味
―まず、「鉄道友の会」の活動内容について教えてください。
「鉄道友の会」は、鉄道ファンによって組織された全国規模の趣味団体です。1953年(昭和28年)に、創立され、以来70年以上にわたり、鉄道文化の発展を支えるさまざまな活動を続けてきました。
代表的な取り組みの一つが、優れた新形式の鉄道車両を年に一度選定する「ブルーリボン賞」「ローレル賞」です。また、機関誌『RAILFAN』の発行をはじめ、見学会や撮影会、試乗会、講演会などの開催を通じて、鉄道に親しみ、理解を深める機会を提供しています。現在、正会員は約3,000名、賛助会員は78団体にのぼり、全国に7つの研究会と19の支部を設置しています。
― 鹿山理事が鉄道に興味を持たれたきっかけや、鉄道の魅力について教えてください。
私の父は仕事で長期間船に乗る生活を送っていました。航海の合間に鉄道模型を作り、それを持ち帰ってくる。その精巧な出来栄えに触れたことが、鉄道に興味を持つきっかけになったように思います。さらに、叔父が走らせていた鉄道模型を目にしたことで、関心はいっそう深まりました。
中学生になると、同じ趣味を持つ仲間と出会い、その流れで鉄道友の会に入会しました。鉄道の魅力は、見る楽しさ、撮る楽しさ、そして何より、乗る楽しさにあります。
しかし、それ以上に大きいのは、鉄道が人とのつながりをもたらしてくれることです。一人で楽しむのではなく、同じ関心を持つ人と語り合い、情報を共有することで、その楽しさは何倍にも広がります。鉄道はまさしく、人生を豊かにしてくれる趣味のひとつだと感じています。
― 鹿山理事は47都道府県すべてで鉄道を撮られたのですか?
私は蒸気機関車ファンなのですが、稚内から鹿児島まで行きました。アメリカもアラスカやハワイを含めて50州すべてを回り、オーストリアやドイツでも州単位では一通り訪れていますね。
もっとも、必ずしも鉄道だけを目的に旅をしてきたわけではありません。鉄道の楽しみ方は本当に多様で、私のように写真を撮る人もいれば、全路線の乗車を目指す「乗りつぶし」を楽しむ人もいます。
最近では駅や車内のアナウンス、汽笛や警笛の音などを楽しむ方も。鉄道友の会では、「こうでなければならない」という決まりはありません。鉄道という大きな枠の中で、それぞれが自分なりの関わり方を見つけ、楽しめる。その自由度の高さこそが、この会の大きな特長であり、長く続いてきた理由でもあると感じています。
新たなオフィスで生まれたゆとり
― こちらのビルに入居された経緯を教えてください。
以前の事務所は現在のオフィスからほど近い場所にありましたが、再開発に伴って移転が必要に。移転にあたっては、エリアを含めて幅広く検討しました。複数の物件を見た中で最終的な判断軸となったのは利便性や賃料、広さなどのバランスです。
特に通勤のしやすさは、日常的にオフィスを利用するスタッフにとっても重要な要素です。こうした点を総合的に考え、長く活動を続けていく拠点としてこちらの物件を選びました。
― 入居から4年ほどが経ちますが、オフィスの使い勝手はいかがですか?
前のオフィスに比べて少し広くなったのがよかったですね。会員証の発行など、日常的な作業もこのオフィス内で問題なく進められています。
また、以前のオフィスは周囲をビルに囲まれていたため、採光や眺望の面で制約がありました。その点、現在のオフィスは明るく、非常に見晴らしが良いんです。来訪者からも「明るい」「開放感がある」といった声を多くいただきます。
― 特に気に入っているポイントを教えてください。
レイアウトは以前のオフィスと同じにしているのですが、全体にゆとりが生まれた点が特に気に入っています。以前は人が通るたびに椅子を動かしたり、コピー作業中に後ろを通れなかったりと日常的に細かなストレスがありましたが、そうした煩わしさが解消されました。
また、このオフィスでは理事会を定期的に開催しており、多いときには20 名ほどが集まります。そうした場合でも、窮屈さを感じることなく会議を行える点は大きなメリットだと感じています。
活動を通し、さらに鉄道ファンを増やしたい
― スリーウェーブを利用した感想や良かった点があれば教えてください。
移転そのものが急を要する状況でしたが、スリーウェーブさんには、引っ越しに伴う細かな調整まで含めて非常に丁寧にサポートしていただきました。
こちらとしても分からないことが多く、頼ってしまう場面が少なくありませんでしたが、そうした要望にも一つひとつ丁寧に応えてもらえたのは大変心強かったですね。
― 今後、スリーウェーブでオフィス移転を検討しようと考えている方に向けて、メッセージをお願いします。
スリーウェーブさんには、条件面での調整や各種の交渉についてもサポートしていただきました。間違いなく、自信を持っておすすめできる不動産会社です。
― 最後に、今後の展望やビジョンについて教えてください。
首都圏や大都市では、鉄道は日常的な存在です。一方、地方に目を向けると、生まれてから一度も鉄道に乗ったことがない方や、通勤や通学はすべて車という方も少なくありません。そうした方々にも、鉄道に親しんでもらうきっかけをつくっていきたいと考えています。
鉄道を利用する人が増えることは、結果として鉄道事業者にとってもプラスになりますし、鉄道文化を次の世代につないでいくことにもつながります。その意味で、「鉄道ファンを増やす」という役割を、これからも果たしていきたいですね。
また、鉄道会社や事業者との連携も、今後さらに深めていきたいテーマの一つです。現在も研究発表などの活動を行っていますが、そうした知見や取り組みを、より広く発信していける形を目指しています。
鉄道を通じて、人と人がつながり、人生を少し豊かに感じられる。鉄道友の会は、これからも、そんな時間や場を支える存在であり続けたいと思っています。
まとめ
世代や地域を超えて、多くの人を惹きつけてやまない鉄道。鹿山理事のお話を通じてあらためて感じたのは、鉄道が単なる移動手段ではなく、人と人をつなぎ、人生に豊かさをもたらす文化であるということでした。
多様な楽しみ方を受け止めながら鉄道の魅力を広げてきた「鉄道友の会」が、これからどのように新たなファンとの出会いを生み出していくのか。その歩みを、今後も応援したいと思います。