
コロナ禍を経て変化したオフィスの条件
訪問看護事業と「あたまの健康チェック®」を通じ、地域住民の健康と安心を支える株式会社ミレニア。都内11拠点を展開する訪問看護ステーションを運営する同社は、2023年10月に本社を移転しました。
その背景や地域医療にかける思いについて、代表取締役社長・長野雄太氏に伺いました(以下、敬称略)。
PROFILEプロフィール
株式会社ミレニア
代表取締役社長
長野 雄太
2002年に大学卒業後、セントケアグループに入社。神奈川県内での営業所管理やエリア統括を経て、2016年よりミレニアへ参画。2018年より現職。
訪問看護と「あたまの健康チェック®」で地域に貢献

― まず、御社の事業内容について教えてください。
当社は現在、「訪問看護」と「あたまの健康チェック®」の2事業を展開しています。都内に11拠点ある訪問看護ステーション「ホームケア」では、0歳のお子さまから100歳を超える高齢の方まで、幅広い年齢層を対象にサービスを提供しています。
利用者の状態も、日常生活に少しの支援を必要とする方から、重度の医療的ケアが必要な方までさまざまです。
私たちが大切にしているのは、「24時間365日、いつでも支えられる体制」を整えること。急な症状の変化や夜間・休日の対応にも迅速に応じ、患者さまやご家族が安心して頼れる存在でありつづける。それこそが、私たちの使命だと考えています。
― 「あたまの健康チェック®」とはどのようなものなのですか?
「あたまの健康チェック®」は、米国で開発された認知機能検査ツールです。それを当社が契約し、日本で展開しています。定期健診に追加して導入されるケースが多く、検診センターや病院で広く活用されています。この検査は認知症の有無を判定するものではなく、40〜50代の働き盛り世代の脳機能が「正常に働いているか」を数値で確認できる点が特徴です。
検査データはスコア化され、記憶力や短期記憶の状態を客観的に把握できます。さらに医師会と連携し、検査結果をもとに住民を予防策へとつなげる仕組みも構築しています。
たとえば品川区では、区民が無料で受けられる制度が導入されており、多くの方に利用いただいています。「認知症を予防する」から「認知症に備える」へと社会の意識が移るなか、当社もその取り組みを支える役割を果たしています。
広さと利便性を兼ね備えた新本社

― 本社を移転された背景について教えてください。
理由は大きく二つあります。ひとつ目は、旧オフィスビルのリニューアルに伴い、オーナーが変更となり、賃料の上昇が見込まれたことです。これまでの条件での継続が難しくなったことが、移転を考えるきっかけになりました。もうひとつは、コロナ禍での働き方の変化です。
リモート勤務が中心だった時期は、出社するのは1〜2名程度で十分でした。しかしその後は出社を増やす必要が生じ、最大で15名が同時に働けるスペースが求められるようになりました。
この二つの事情が重なり、「今が移転のタイミングだ」と判断。本社はこれまでと同じ港区に置きたいと考えていたため、駅を変えず、新橋駅近辺で物件を探すことにしました。
― こちらの物件を選んだ決め手は何だったのでしょうか?
他にも2件ほど候補を見せていただきましたが、こちらは天井が高く、窓も広く取られていて開放感があったことです。線路沿いに位置していますが意外にも非常に静かで、人通りや車の往来が少ない点も魅力でした。
加えて、周辺には飲食店が多く、昼食の選択肢も豊富です。こうした条件がそろっていたことから、社員にとって働きやすい環境になるだろうと感じ、こちらに決めました。
― オフィスは以前と比べてどの程度広くなったのでしょうか?
およそ倍の広さになりました。コロナ禍を経てオンラインでのやり取りは一般化しましたが、私たちの事業においては「顔を合わせて話すこと」が欠かせません。そのため、会議室を新たに設け、リアルでの打ち合わせや調整ができる場を整えました。
広いスペースを確保したことで、社員同士が活発に意見交換を行い、安心して働ける雰囲気をつくることにもつながったと感じています。
― 入居されてから2年ほど経ちますが、オフィスの使い勝手はいかがでしょうか?
非常に満足しています。新たに設けた会議室も毎日のように使われており、社員にとって最も利用頻度の高い部屋になりました。気軽に打ち合わせができる環境が整ったことで、業務の効率も上がっています。
誠実さとスピード感が築いた信頼関係
― スリーウェーブを利用した感想をお聞かせください。
とにかく対応が早い点に助けられました。限られた期間で非常に条件の良い物件を紹介していただきました。営業所の移転や新規開設では、どうしてもスピード感を持って動かなければならないケースが多いのですが、スリーウェーブさんには「今日電話して、今日対応していただける」即応力があります。
こうした迅速な対応は、他の会社ではなかなか得られないものです。我々の事業は計画的に進めつつも、現場での即断即決が求められる場面が少なくありません。そのなかで、レスポンスが早いことは非常に大きな安心材料になります。
― スリーウェーブを通じてすでに7件のご契約をいただいています。その理由についてお聞かせください。
本社は一般的なオフィスですが、営業所については訪問看護という独特な業種ならではの条件があります。例えば設備面で「必ず必要なもの」があったり、立地に関しても制約があったり。スリーウェーブさんはそうした点を十分理解してくださっていて、最初から事業に合ったテナントをリストアップして提案してくれるんです。
単に物件を仲介するだけでなく、私たちの業種を理解し、スピード感をもって動いてくださる。その積み重ねが、7件という実績につながっているのだと思います。
― スリーウェーブで今後オフィス移転を検討される方に向けて、メッセージをお願いします。
移転や新規開設にはスピード感が求められる場面が多いと思いますが、その点でとても安心感があります。早めに決断しなければならない状況にある方や限られた時間の中で確実に進めたい方は、ぜひ一度相談してみることをおすすめします。
― 最後に、今後の展望・ビジョンについてお聞かせください。
現在は東京都内を中心に事業を展開していますが、将来的には関東圏にも拠点を広げる予定です。訪問看護の制度は県や市ごとにルールが異なりますが、当社はサービスに特化した会社だからこそ、地域の制度に合わせた柔軟な展開ができます。この特性を活かし、広域で在宅医療を支える体制づくりを進めていきます。
もう一つの柱である「あたまの健康チェック®」については、より多くの方に早期に受けていただき、生活習慣の見直しや健康管理のきっかけにしてほしいと願っています。社会全体が「認知症を予防する」から「認知症に備える」へと意識を移しつつある今、このツールを通じて、多くの皆さまが長く健やかに暮らせるよう、これからも支援していきたいと考えています。
まとめ
長野社長のお話からは、社員や利用者にとって最適な環境を整えたいという強い思いが伝わってきました。地域医療を未来につなげていくミレニアの姿勢に深く共感する取材となりました。